土壌の劣化がそのまま体に反映している
総トータルがミネラルの面でも問題を起こしているのは当然です。土壌中のミネラルがおおきく減少しているとほとんど同じことは人体のミネラル分析からも指摘されています。「身土」は「不二」なのだから当然です。
毛髪分析という新しい栄養診断法で現在の日本人の体内のミネラル状態を調べた幾つかの調査は、大体つぎのような指摘をしています。
不足しているミネラル
マンガン、亜鉛、クロム、セレニウム、バナジウム、カルシウム、マグネシウム
不足ぎみなミネラル
リチウム、鉄、銅。
過剰なミネラル
ナトリウム、リン。
普通なミネラル
ニッケル、コバルト、カリウム。
しかし、こういう状況ではガン、糖尿病、心臓病から貧血や骨の病気などもろもろの病気が起きても不思議ではありません。だからこのようなミネラルの状況は全国民の健康という観点からして由々しき大事だと警告している専門家も少なくないのです。
敗戦直後の食料難時代より栄養不良と指摘
いま、かくれた問題になっているのは子どものできない若い夫婦の問題。そしてその多くは夫側の低精子症です。だからこそ、人工授精なんて奇妙な技術が話題になっているのです。
しかし低精子症や妊娠しにくい精子の運動能力低下症は、子を生ますビタミンいわれるビタミンE やセックス・ミネラルとされる亜鉛の不足と密接に関係のあるものです。だから、現代で夫側に原因のある不妊がなぜ増えているかということはもう説明は不要です。
また、つい先頃、テレビで「不足していませんか微量金属? 」という番組を放映していました。この番組ではたとえばマグネシウムをわれわれは敗戦直後の「貧しげな」食仕括の中では十分にとっていたのですが、いまは必要量の80% しかとっていないと警告していました。(この番組ではセレニウムや亜鉛の不足も問題にしていました。
また、亜鉛不足に関しては味覚を失っている人が多いということを話題にしていました。亜鉛が不足すると味覚が鈍くなったり全くなくなったりしてしまうことがあります。
現代の過剰な砂糖やごてごてした手の込んだ味付けなども味覚の鈍化と無関係でなはありません。鈍化した味覚だと強烈な味付けでないと満足できなくなるからです。
その結果、健康的でない味付けを流行らせているわけですが、亜鉛不足はこんな悪循環も生んでしまいます。
つぎの話題はもっとびっくりするような話題です。これは福岡大学などの研究者が450人の精神病院入院患者を調べたもので、450人のうち35人にベラグラ的症状があり、その他16人は完全にベラダラで、こういう患者にナイアシン(ビタミンB3)を与えたら劇的に症状が改善したというものでした。
そしてこの調査は「ベラグラが結構多い、精神科医は十分注意する必要がある」とまで警告しているのです。
ベラグラは20世紀前半にアメリカ南部やイタリアの貧しい農民に頻発した病気で、精神症状も呈するので患者たちは精神病院に入れられたが、いまでは単純なナイアシン欠乏症とわかっています。
まあ頭の脚気みたいな病気です。そして現代ではもう過去の病気とされている病気です。
しかし、この指摘は50年も前のものでなく1981年2月号の経済大国日本の『精神医学』という専門誌に掲載された論文のものです。ビタミンの潜在的欠乏症時代の現代は、人によってはこんな顕在的欠乏症も起こすほどになっているということです。
ビタミン・ミネラル不足がおきる理由
https://www.vitamin-qa.info/2019/12/23/post-691/